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革新的な技術がもたらす、
音質と快適さ

KD-Q1は、KuraDaがこれまでに培った技術を基に開発された製品です。「常に革新的であれ」という理念のもと、「堅牢さと耐久性」をテーマに設計されています。音質、耐久性、快適な装着感といったヘッドホンに求められるあらゆる要素を、高次元で満たしたモデルです。

KD-Q1
KD-Q1
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KD-Q1

AWARD

Quad-Chamber音響設計

KD-Q1 Baffle

KD-Q1は、4つの空間を段階的に構成し、それぞれの空気流動を緻密に制御するクワッド・チャンバー音響設計(Quad-Chamber Acoustic Architecture)を採用しています。

単なる開放性ではなく、帯域ごとに異なる空気の動きの振る舞いを的確にコントロールすることこそが、理想的な音響再生に不可欠であるという思想に基づき設計されています。

私たちは、振動板の素材や駆動方式が音響表現に大きな影響を与えることを理解したうえで、最終的な音の質感を決定づけるのは、空間の設計と空気流動制御の精緻さであると考えています。

KD-Q1はこの設計哲学に基づき、各チャンバーと音響フィルターの連携による空気の「整流と制御」を徹底し、自然で豊かなリスニング体験を実現しました。

 

下図は、KD-Q1のバッフル周辺構造と各チャンバーの関係を示したものです。

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■各チャンバーの詳細と役割

①第1チャンバー(ユニット前面)

振動膜直近の最も小さな空間です。ドライバユニットはゴム製Oリングとウレタンスポンジリングによって瞬間的な気密性を確保され、さらに音響フィルターによって高域のピークを適切に整えながら、第2チャンバーへと音圧を伝達します。

この空間で形成される音圧は、明瞭な低域再現と高域レスポンスの基礎を築きます。

②第2チャンバー(耳側主空間)

耳とバッフル面の間に広がる主要な空間です。第1チャンバーとは音響フィルターを介してグラデーション的に接続され、滑らかな音圧の連続性が確保されています。

この空間の空気振動が鼓膜を直接駆動し、音の質感、音像形成、広がりある音場とナチュラルな定位感を決定づけます。

③第3チャンバー(低域圧力調整空間)

第1チャンバーとはウレタンスポンジリングを通じて、第2チャンバーとはイヤーパッド内側の音響フィルターを通じて、それぞれ過度な低域圧力を逃がす経路が形成されています。

さらに、チャンバー内にはバッフル下部に配置された2つの矩形ポートが設けられており、振幅が大きく高速な動きを持つ低域成分(おおよそ60Hz以下)の圧力変動を効率的に背面へ逃がします。

この構造により、過剰な低域ピークを抑え、引き締まった自然な低音レスポンスを実現しています。

④第4チャンバー(ユニット背面空間)

第3チャンバーとはバッフル表面の音響フィルターを介して流動的につながり、さらにドライバ背面にはハニカムメッシュベントが一体成型されています。

この空間では、ドライバ背面にかかる圧力(背圧)を適切に開放しつつ、不要な共振成分を効果的に抑制。

ドライバの動きを安定させ、広帯域で歪みの少ない高品位なサウンド再生に貢献します。

■音響フィルターの役割

KD-Q1では、振動膜の前後にわたり、ポリエステル繊維製の音響フィルターを複数層に配置しています。

このフィルターは、空気の流動速度に応じた透過性を持ち、ゆっくりとした空気の動き(主に中高域)には透過性を確保しながら、瞬間的な大振幅の動き(主に低域)には抵抗として作用します。

これにより、超高域のピーク緩和、中高域の共振成分の抑制、背面からの高域リーク防止を実現しています。

各チャンバー間の空気流動を帯域別に最適化することで、リスニング疲労を低減し、スムーズな音場展開と自然な定位感を実現しています。

また、低域の過剰な圧力ピークについては、バッフル下部に設けられたベント構造と組み合わせることで、全体の音響バランスを緻密に調整しています。

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Ultra-Responsive Diaphragm
(URDドライバー)

KD-Q1は、53mmのダイナミックドライバー「URDドライバー」を搭載しています。薄型のPETダイアフラムとOFCボイスコイルを組み合わせることで、軽量かつ高い応答性を実現し、特に低域の表現力が向上しています。

主な特徴

■ 軽量ダイアフラム
薄く設計されたPETダイアフラムにより、軽量でありながら優れた応答性を確保しています。

■ OFCボイスコイル
OFCボイスコイルを採用することで、振動系の質量を増加させ、f0(共振周波数)を低く抑えます。一方で、薄型ダイアフラムにより、全体の質量増加を最小限に抑え、質量とダンピング比をバランス良く維持しています。また、OFCボイスコイルはCCAW(銅被覆アルミ線)に比べて約30%高い導電性を持ち、低抵抗により応答性を向上させます。

URD Driver
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立体縫製イヤーパッド

KD-Q1のイヤーパッドは、日本国内の熟練した職人による手作業で丁寧に縫製されています。この3D縫製イヤーパッドは、低反発ウレタンを立体的にカットし、人間工学に基づいたデザインで頭に自然にフィットするよう設計されています。日本独自の技術と職人のこだわりにより、音漏れを抑えつつ、圧力を均等に伝え、優れた音響特性を提供します。さらに、耳に触れる部分には高耐久性のプロテインレザーを採用しており、長時間の使用でも快適な装着感を保ちます。このように、日本の品質と精緻な技術が融合し、快適さと音質のバランスを見事に実現しています。

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MJF

3Dプリント技術の採用

KD-Q1は、KuraDa製品として初めて3Dプリンティング技術を採用したモデルです。従来のSM技術(サブトラクティブ・マニュファクチャリング)に比べて、AM技術(アディティブ・マニュファクチャリング)は高い設計自由度を持ち、複雑な内部構造を持つ製品の製造が可能です。

■HP Jet Fusionによる3Dプリント

KD-Q1の部品は、HP Multi Jet Fusionテクノロジーで製造されています。この技術は、粉末材料に高精度の液体エージェントを噴霧し、熱を加えて層を形成することで、複雑な形状の部品を短時間で高精度に大量生産することが可能です。

■筐体材質にPA12GBを採用

KD-Q1のハウジングには、PA12GB(ポリアミド12 ガラスビーズ充填)材料が使用されています。この素材は、PA12をベースに40%のガラスビーズを含んでおり、高い引張強度と耐久性を持ち、長期間の使用でも性能を維持します。また、化学薬品への耐性や軽量性、優れた振動吸収特性も併せ持っています。

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SOLIZEとのパートナーシップ

SOLIZE株式会社は、デジタルエンジニアリングと3Dプリンティング技術を専門とする、日本を代表する企業です。30年以上にわたる歴史を持ち、3D CADエンジニアリング、モデルベース開発(MBD)、製品開発のトランスフォーメーションコンサルティングなど、多岐にわたる革新的なソリューションを提供しています。

私たちはSOLIZEとのパートナーシップにより、KD-Q1のハウジング部品をSOLIZEで製造しています。

3D Manufacture
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​製品仕様


モデル

KD-Q1

ドライバー

53mm URDドライバー

ボイスコイル

OFC

インピーダンス

75Ω(1kHz)

感度

84dB/mW(1kHz)

周波数特性

20 - 20,000 kHz

重量

296グラム

ケーブル

1.2m 4芯OFCケーブル

プラグ

6.3mmステレオ


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