
音が呼吸できる構造
KD-P1は、KuraDaの初期ラインアップの中でも、設計と製造の本格的な橋渡しとなったモデルです。
プロトタイプで得た知見を活かしながら、音響性能・構造精度・意匠性をバランスよく形にしたこのモデルは、KuraDaのものづくりにおいて重要なマイルストーンとなりました。
全開放型構造と、A7075超ジュラルミンによる総削り出しハウジングが生むのは、スピーカーのような音の広がり。
その象徴的なフォルムと豊かな空間表現により、KD-P1は今もなおブランドを代表するモデルのひとつとして位置づけられています。




Radical Open Architecture
KD-P1のハウジングとフレームには、A7075超ジュラルミンを採用しました。
この素材は軽量で高剛性、そして音響的な中立性にも優れており、KD-P1の開放的で見通しの良い音場を支える重要な構造要素となっています。
しかし、密閉構造を持たない全開放型ヘッドホンにとって、低域の再現性は常に大きな課題です。
その課題に真正面から取り組むため、KD-P1専用として開発されたのが、53mm径のダイナミックドライバーでした。
このユニットは、量感と制動のバランスに優れた設計として高く評価され、
後にKD-Q1に受け継がれ、「URD(Ultra-Responsive Diaphragm)ドライバー」として昇華されることになります。




製品仕様
Model (型番) | KD-P1 |
Driver (ドライバーユニット) | 53mm URD Driver |
Voice Coil(ボイスコイル) | OFC |
Impedance(インピーダンス) | 75Ω(1kHz) |
Sensitivity(感度) | 80dB / mW(1kHz) |
Frequency Response(周波数特性) | 20 - 20,000 kHz |
Weight(重量) | 487 g |
Cable(ケーブル) | 3m 8-core OFC cable |
Plug(入力プラグ) | 6.3mm Stereo |